『今さら聞けない・・・酵素の話』
「酵素」と聞けば「酵素ダイエット」というイメージが強い、
聞いたことのある言葉になりましたね。
しかし酵素のことを本当に理解している方は
まだ少ないのではないでしょうか?
酵素は「りんごダイエット」のりんごのように
食品1つというわけではありません。
そこで、今回は今さら聞けない酵素について
ご説明していきます。
酵素とは、ウィキペディアによると
「生体で起こる化学反応に対して媒体として機能する分子である。
酵素によって触媒される反応を“酵素的反応”という。
このことについて酵素の構造や反応機構を研究する
古典的な学問領域が、酵素学である。」とあります。
生体とは生物の生きている体のことを言いますが、
植物にも酵素は存在しますので、
命のあるものと言いかえると、
「命のあるものの中で起こるさまざまことの、
仲介役として働く物質の最小単位」となります。
もっとわかりやすくいえば、
酵素とは「体内でいろいろなものを分解するもの」
ということですね。
その物質はタンパク質でできています。
上でさまざまなこととか、
いろいろなものを分解とざっくり書いたのは、
簡単に書こうとしても具体的にあげていくとなると、
かなりの長文になってしまうからです。
酵素は、命にかかわることすべてに関わっているのです!
具体的には心臓を動かすことから、
呼吸をすること、食べたものの消化や吸収、
代謝や排泄にいたるまですべてです。
そして酵素がおこす化学反応は非常に回数が多く、
1分間に数億回のものもあるそうです。
驚くべきことはまだあります。
それは酵素の数!
酵素の数は現在わかっているだけで自然界に2万種類以上、
私たちの体内にも5000種くらい
(内、登録されているものが約4000種)あるといわれているのです。
現段階で研究段階のものもあり、
まだ発見されていない酵素も含めると
もっと増えるといわれていますので、
驚異的な種類のものがあるということです。
一概に「酵素ダイエット」という言い方をしても、
どの酵素?という話ですね。
酵素は大きくわけて
消化を助ける消化酵素と代謝を助ける代謝酵素、
食物に含まれる食物酵素の3つにわけられます。
私たちの身体の中で名前を聞く機会があり、
よく思い浮かべるものは、消化酵素の方ですね。
ダイエットに興味のある方なら
脂肪を消化する酵素である
リパーゼは聞いたことがあるかもしれません。
リパーゼは、主に膵液の中に存在して、
脂肪をトリグリセリド(中性脂肪)と脂肪酸に分解し、
腸管吸収しやすい形に変える酵素です。
アミラーゼは、唾液や膵液の中に存在して、
でんぷんを糖に分解し、血液中に入り全身を回ったあと、
腎臓でろ過されて尿で排出される酵素です。
プロテアーゼは、胃液に存在して、
タンパク質を分解する酵素で
胸焼けや胃もたれを防ぐといわれていますし、
アセトアルデヒド脱水素酵素はアルコールを分解します。
また、代謝酵素は、消化酵素によって
栄養が消化吸収されたあとで出番がくるものです。
代謝酵素は吸収された栄養を身体の細胞に届けるもので、
新陳代謝を促したり、汗や尿の排出をしたり、
怪我や病気の治療をしたり、免疫を高めたりします。
食物酵素は、加熱されていない果物や野菜などに
含まれているものです。
しかし、いくら生でたくさん食べても胃の中で
活性を失ってしまうものなのです。
酵素の成分がタンパク質という点から、
タンパク質は胃で分解されてしまうからです。
しかし、体内の酵素を活性化したり
栄養を強化したりする働きはあり、
中でも、納豆、味噌、甘酒などの発酵食品は
この食物酵素の力が発揮されたものになるので、
積極的に摂りいれることは、
食物酵素がもつ働きを上手く活用するということになります。
タンパク質を分解する酵素プロテアーゼを多く含む食品は、
麹、納豆菌、パパイヤ、パイナップル、
イチジク、キウイなどです。
お肉料理にパイナップルを加えると
お肉が柔らかくなるのはプロテアーゼの効果があるからです。
脂肪を分解する酵素リパーゼを多く含む食品は、
大根、セロリ、トマト、カリフラワー、かぼちゃ、
グレープフルーツ、いちご、いちじくなどです。
脂の乗った焼き魚に大根おろしを乗せる組み合わせも
酵素を生かした食べ方といえるでしょう。